作曲家・團 伊玖磨(だん いくま)さんが作曲した日本の道シリーズの第2弾の曲です。全8曲の組曲となっています。
この方だれ・・?と思う方もいるかと思います。1964年の東京オリンピックで演奏された「オリンピック序曲」や「NHKラジオ体操第2」、童謡の「ぞうさん」「おつかいありさん」「やぎさんゆうびん」などの作曲を手がけています。
クラシックから童謡まで幅広い活躍をされているなか、この「紀州路」は男性ボーカルグループ・ダークダックス用に書き下ろされた楽曲で、LPレコードで1980年に発売されています。CDが音楽メディアとして最初に販売されたのが1982年ですが、このレコード自体は発売後にCD化はされておらず、全曲を聴くにはレコード一択です。(「新宮の海」のみ、ぞうさんが選ぶ『我ら60年の歩み』にCD収録あり)
そういう訳で、レコードを購入し、プレーヤーも購入して聴きました。(多分40年ぶりくらいのレコード鑑賞)
ぷつぷつといういまのデジタルでは入らないノイズがいい味出してます。
序の曲から聴き進めて思ったのが、練習中の曲とイメージが違う!ガチの合唱とはちがってちょっとポップス調。
でもこれはこれでいいなぁ、と思いながら聴いていました。
何度か聴くとやはり、混声四部と男声コーラスとは音域も異なるし、楽しかったです。
さて、ダークダックス用に書き下ろされた楽曲を独唱と混声合唱にしたこの曲ですが、合唱曲ではめずらしく序の唄、中の唄、終わりの唄という、物語に花を添えるような閑話休題的な曲が含まれているのと、楽譜にもあるように各楽曲ナレーション付きです。(このあたりが歌謡曲ぽい)
楽譜を初見した時は「な、ナレーション・・・!」とびっくりしました。レコードでも朗々とダークダックスでバス担当の遠山一さんがナレーションを担当しています。私たちの演奏会ではどのようになるのかそこも楽しみの一つです。
「紀州路」という楽曲名ですが、各楽曲のタイトル通り、どちらかというと南紀にスポットが当てられた曲が多いです。
いまでは、JRの紀州路快速など電車のイメージですが、元々は大阪と和歌山を結ぶ2つの道を併せた言葉です。
「紀州街道」
当時の大坂高麗橋~堺~孝子峠~北島を通る和歌山城下町起点の参勤交代ルート。
「紀伊路」
大坂・摂津~雄ノ山峠~布施屋駅付近から南下、御坊付近で海岸沿いへ出、中辺路の国道311号を経由して熊野三山へ至る参詣道ルート
紀州街道が和歌山城を起点にした北上するための参勤交代ルートのため、この「紀州路」も和歌山の曲として考えるのであれば、南紀特化になっているのは納得できるのかもしれません。ちょっとしんどいですが。ここまでの考察をして作曲されたかは真偽不明です。
楽曲の内容は、以下の通りです。
1.前奏-紀州路のための序の唄
2.新宮の海
3.清姫
4.紀州路のための中の唄
5.中辺路
6.高野路のお歯黒トンボ
7.那智の鈴虫
8.紀州路のための終りの唄
先に説明した街道を通り、熊野へ至る順、ではなく序の唄の次の2曲目からいきなり「新宮の海」へ行きます。
そこから熊野・高野へ向けて北上するような流れです。このあたりも南紀特化、と言われるゆえんでしょうか。
曲調は全体的におだやか、ゆったりで、5曲目にあたる「中辺路」が少しアップテンポで楽しい曲です。
前述のダークダックスをご存じの方はおわかりいただけると思いますが、人の声のハーモニーの聴かせどころが多い楽曲群です。
2026/04/19 加筆・訂正・画像サイズ調整


